職能の単純化を進めると組織構造は複雑になる。

2010年5月30日

経営学入門

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マクロ組織論における、組織の構造的要素のひとつに複雑性がある。
*他は「公式性」「集権性」(詳細はこちら


「複雑性とは、作業の効率を高めることをねらって、職能を細分化する結果生まれる構造的特徴」

「細分化された職能を個別に見ると内容は単純になるが、その半面、組織構造は複雑化する(趣意)」


榊原清則,『経営学入門 上』, 日経文庫, 2002,pp106-107.





いわゆる、管理は複雑化し、(“管理”の)効率が低下することが発生する。


職能の単純化と組織構造の複雑化のジレンマである。」(同、趣意)


これにより、マネジャーが、日常業務に忙殺されてしまえば、以前の記事でも記載したが(過去のエントリー「グレシャムの法則を使ったマーチ=サイモンの説明」での『日常業務が戦略を駆逐する』)、長期的なことを見据えた行動はとりにくくなる。


一見、機械論的に、末端は職能により単純化したほうが、合理的に見えるが、もし、マネジャーがその行動に邁進してしまったら・・・
官僚制を否定するものではありません。


部下が、機械の様に業務をこなすことに注力するが、(当然そうではならないので)常に、(大小は関係ないが)問題は存在する。それを解決しようと動く・・・でも問題はなくならない。そしてまた・・・


そうしているうちに、不思議なことに、決まったとおりに動く努力をした方(=職能)より、(本来の業務であるはずの当該事業の)長期的な戦略の立案や当該部門での果たすべき役割を放棄したマネジャーの方が給料が増加する(昇進、昇格してしまう)。


もちろん、この循環は、どの組織でも存在する一般論的な議論ではある(時に、歯車のように動かなければ目的を達しない場合もあります)。



・・・管理職の“管理”は主に“経営管理”の管理です。




<参考書籍>



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