データの“肝”をずらしてはいけません。

2010年5月9日

統計解析

t f B! P L
製造業で形骸化しているとは言え、小集団活動に類似した業務などで、特に工場では“歩留まり*”が主要な指標であることが多い。

*「原料(素材)の投入量から期待される生産量に対して、実際に得られた製品生産数(量)比率」のこと(Wikipedia「歩留まり」より)


確かに、現代の工場における歩留まりは、ある意味凄まじい数字ではある。それこそ“95程度では低い”程まで、カイゼンが積重ねられている。

とはいうものの、だからといって、マネジャーにとってはその数字は、プライマリーに考えてはいけない。


いくら、オペレーターが
「歩留まりは、99.0です。」


と言おうとも、大切なのは・・・


XYZ製品の歩留まりと廃棄費用
調査期間:20XX-mm-dd~dd


のとおり、“金額”である。歩留まりが高くても、上のグラフのように、廃棄費用も高ければ、他の工程より、この工程のカイゼンを続けていく方が、効果が高い(もちろん、時と場合によりますが)。


同じ工程にも多くの、指標があり、現代でも生残っているということは、カイゼンが積重ねられてきた工程である。


どれかひとつくらいは、高得点であることは当然である。


さらに、この製品が、残念ながら、赤字であったとする。さて、またまた得意技を探していくと・・・


「ある調査会社によると、市場占有率がトップである。」


ということが判明した。早速、トップは、従業員を鼓舞するのに朝礼で檄を飛ばした。上のグラフの感じと同じである。肝心なことをうまく言っていない。この場合、肝心なことは:


“市場占有率が1位で、その事業が赤字なら、長くはない・・・だろう。”


と、普通の従業員は感じるのだが・・・



・・・データの“肝”をずらしてはいけません。

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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