
多角化した企業では、この部署の人材は、新入社員から育てて―とはいかない。そのほとんどは、各製品分野で品質保証をしてきたベテラン、また、開発、設計部門で役職定年を向かえたその道のプロが集まって、構成されている。
ボスも、長年品質保証を束ねてきた人である。
従って、多くの顧客からの問い合わせに、対応できる能力を備えている。特別に専門的な調査が必要な時は、開発部隊や、生産工場に問い合わせる。
それは、いわば、ホームドクターの紹介状みたいなものである。
製品、サービスを購入、利用する多くの場合、いや、例えば、自動車の購入など、メーカーで選ぶ顧客もいれば、営業マンが気に入ったから購入する、薦められるがままに購入する、といったケースも少なくない。
その場は、まさに、顧客が、企業の人間と触れているポイントである。
お客様相談室もそうである。ましてや(企業にとって)ネガティブな声を届ける顧客と接するのである。直接的な生産性は計測できないが、顧客は、たいていは、その対応で企業のイメージを決め付けてしまうものである(そういうバイアスがかかってしまう)。
だが、その上記に記載したベテランという人員構成、生産性から、コスト削減の対象になるケースが多い。そうなれば、当然、この部署は、種々の部署からの掃き溜めになることは想像にかたくない。
顧客は、各部署をたらい回しされ、ブランドの信頼は失墜する。
あぁ、この製品、サービスはいいねぇ、というポジティブな声より、ダメだ、といったネガティブの声の方が、広まる能力が高いものである。
このようなことが考えられる時に、そうならないような顧客への対応の仕組みを議論すべきで、対応した従業員の資質云々が焦点ではないことはいうまでもない(=その後に何にもならないので)。
企業は、必要以上に顧客との接点には神経質にならなくてはならない。
・・・ブランド構築は死闘、費用は膨大―だが、破壊は一瞬でもある。
photo by Maco
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