妥協は、事故の温床である。

2010年6月20日

t f B! P L
“妥協”は事故を引き寄せる。


製品開発の場では、一見、ありえないような事故を想定して、検査、試験を行なう。さらに、それを定量化し、どの程度の影響があるかを見極める。


また、製造工程においても、環境なども含め影響がないか吟味し、種々の法律、指令、条令を鑑み、製品は、商品化されていく。

極論すれば、事故は、開発現場で一度は起きている。


それらの一連の事故確認行為は、次回の開発を行なうモチベーションが下がってしまうほど念入りである。



さて、ハインリッヒの法則とは―

1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する
Wikipedia【ハインリッヒの法則】

というもので、特に生産現場では、よく知られている。

少しの異常もおろそかにしない姿勢は、特に日本の製品において、低価格高品質を実現した要因でもある。


開発現場での、ある妥協(それが、安全面だとは限らない)が、生産現場での負荷を高める(かつ、その負荷の高まりに追加資源を投入しない)ものであれば、何かしらの異常を積重ねていく温床になる。


またそれは、開発現場に限らない。


生産現場では、事故を防ぐには、具体的な責任の明確化をしなくてはならない。それは、ある部分が曖昧になってしまえば、そこから、製品の完成に綻びがではじめ、やがて、事故につながるからである。


そういった、各部門、もしくは機能組織の品質を保障していくために、当該組織でのルールがあり、それら組織群を統括することが品質管理である。


結局、(事故に対して)妥協なき仕組みを作っていく人的資源の質が、製品、サービスの質と相関性が高いことはいえるかも知れない。



・・・短期的には「仕組み」、長期的には「教育」が有効な施策です。

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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