経営倫理

2007年1月18日

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企業の不祥事は、その企業の存続を左右する時代である。社会的責任を果たす(または社会の公器)企業であるゆえ、その責任不履行に対するペナルティは厳しい。 

不祥事の際、鬼の首を取ったように、経営者を責める行為は見苦しいが・・・。テレビ局であれば、スポンサー企業の不祥事にも同様の対応ができるジャーナリズムが存在するかはわからない。せいぜい、「不祥事は許されぬ行為であるが、対応が素早く、緊急時の対応が優れている」とでも言うだろう。

たとえ人が死んだとしても・・・ 何もかもが経営者の責任として追及されることは、(最終的には、そうであるが)おそらく、経営者は現場の課長レベルの決済のいちいちにコミットメントしているはずがない。企業が大きくなればなおさらである。

それを、「なぜ把握していない」と攻め立てる。 経営者を擁護するわけではない。そこは、攻めなければならない点ではないのである。経営者へは、どうしてそのようなことが発生する企業文化になってしまったのか?と問うべきである。 

日本監査役協会の資料に「企業不祥事の発生要因に関するアンケート結果」がある。これによれば、その要因の第一位は「行き過ぎた業績至上主義」である。経営者の周りには、お金を右から左に流して、儲けようとする者があまりにも多すぎる。

あのアメリカでさえ、四半期ごとの業績で判断するのはどうか、という空気になっているのに。。。 消費者は安い価格を求め、株主は配当を要求する。ともに企業にとっては「引き算」である。従業員へ圧力がかかることはいうまでもない。 この議論には回答がない。そのような例に該当する企業のビジネスモデルが古いのかもしれない。本当は、経営者が不祥事を認めていたかもしれない。 

しかしながら、現在のように、経営者を責めるということは、多角化している大企業のその商品と関係のない事業にいる無関係の従業員の生活権を奪うことにも繋がる。経営者は経営者の責任不履行に対する対処で十分である。無関係の商品を購入してくださる顧客、従業員に影響が及ぶことは、力学が傾きすぎている。  

・・・経営倫理は誰もが考えなくてはならないことではないだろうか。 
 

<参考:アンケートに関して> 日本経営倫理学会,『経営倫理p76参考。

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