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次に行なうのはメトリックの決定である。この行為はチームのリーダー(ブラックベルト)がメンバーとよく相談し決定しなければならない。COPQを算出したからといって、「○○万円/月の効果を目指しましょう」とは具体性がないからである。
従って、チームのカイゼン目標として具体的な指標を定めなければならない。シックスシグマではメトリックと呼ばれる2つの測定指標を設定している。
第一メトリックとは、当該プロジェクトが改善する性能のことで、例えば、生産現場でのプロジェクトの場合、歩留まりや機械稼働率などが挙げられる。
第二メトリックとは、第一メトリックを達成していく上で副作用が起きていないかモニタリングする指標で、例えば、第一メトリックに機械稼働率を設定し、この指標を改善していく上で、歩留まりや不良率が低下する懸念があれば、第二メトリックに歩留まりを設定し、モニタリングを行うものである。
例えば、図では第一メトリックに「機械稼働率」、第二メトリックに「不良率」を設定し、モニタリングしている。モニタリングするこの作業は、プロジェクトが終了後も数ヶ月行い、効果を確認する。
さて、チームはこれまで、下の手順でプロジェクトを始動させてきた。
1.重要品質特性の定義と把握
2.問題、課題の選択
3.効果の予測=COPQの算出
4.カイゼン指標の決定
○第一メトリック:カイゼン効果を測定する指標
○第二メトリック:カイゼンによる副作用を監視する指標
*重要品質特性:CTQ(Critical To Quality)とは顧客の要求、プロセスの要求を満足させるような製品、サービスの特性。
例えば、1は本記事のプロジェクトの場合、事業的には固定費用の削減が打ち出されていたこともあるが、ビジネス背景では原材料費が高騰してきた時期でもあり、顧客に結びつけるならば、「原材料費の高騰を吸収し従来と同じ価格で顧客に商品を提供する」と定めることもできる。重要なのは、顧客やプロセスを対象に特性を定めることである。
そして、2では生産ラインの稼働状況を調査し、3において、COPQを算出した。最後に4にてカイゼン指標を定め、いよいよプロジェクトは本格化していくのである。
ここまでは、シックスシグマの中のフェーズでDフェーズ(D:defineのDで定義)と呼ばれる最も重要なフェーズの流れである。
問題が明確になれば、その課題の60%は解決したといわれている。従って、ここでは、あまりに大きなテーマ、例えば「事業を黒字化する」などを設定すると、問題が多すぎて明確にならず、プロジェクトが迷走することが多いため、大きなテーマは設定しないことである。もし、設定するのであれば、経営者は適切な資源を投入し、自らも積極的に関与しなければならない。
次に、チームの活動は一時休止し、次のフェーズのブラックベルト研修が始まっていくのである。
(「シックスシグマ⑦(メトリックを決定せよ!)」了)
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