シックスシグマ⑭補足(FMEA運用で間違えやすい事)

2008年1月30日

シックスシグマ

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FMEAでは、「深刻度」「発生度」「検知度」を掛け合わせたRPNを求め、優先事項を分析する。そして、何かしらの活動を終え、課題や問題を解決した時に、修正していかなければならない。もしくは、活動の履歴を残していかなければならないものであり、それがカイゼン活動を持続可能なものにするのである。

修正とは、RPNをカイゼン後に再計算するのだが、ここで意外に間違えやすい事柄がある。

例えば、ある工程でのエラーが減少したとき、それが、検査の精度を高めて減少した場合、「発生度」は小さく、検知度は高く(FMEAの評点では小さく)なり、その結果、RPNは小さくなる。

このとき、多くの人が「深刻度」の評点まで小さくしてしまい、RPNが歪に減少する。

カイゼン前→カイゼン後
深刻度7 → 3?
発生度5 → 3
検知度5 → 3
RPN 175 → 27

誤りは「深刻度」の評点で、カイゼン前の"7"はカイゼン後も"7"のままである。その工程のエラーは発生頻度は小さくなったとはいえ、起こったときの深刻度に変化はないからである。「深刻度」とは欠陥が起こった時の影響を数値化(評点)したものであるからである。

ならば、ほとんどのケースで「深刻度」の評点がかわらないのでは?

生産現場での定常の取り組みを思い起こしてみると、以下の三点に集約される。
1.生産(作業)効率を高める
2.不良の発生頻度を小さくする
3.検査を厳重にする
これらのことをFMEA的に考えると、やはり「発生度」「検知度」に集約してしまう。

従って、その作業や工程のシステムそのものを変えない限り、深刻度に変化はないと考えてよい。


(「シックスシグマ⑭補足(FMEA運用で間違えやすい事)」了)
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