自社製品を自分で駆逐しなければ、他社にやられるだけである。―盛田昭夫

2009年7月26日

経営者の言葉

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我が家のリビングは未だにブラウン管テレビである。この頃、少し画面が明るくなったり、色合いが・・・・と不具合が出てきているが、まだまだ見れる。

よくみると、”ソニーのトリニトロン”である。近年、”ソニータイム”などガラスの製品のイメージが強いが(実際、私も購入したノートPCではそう思った)、ブラウン管テレビはそんなイメージがない。

さて、そのソニーの創業者としては、盛田昭夫、井深大はよく語られる。本日の記事は盛田昭夫である。

タイトルの「自社製品を・・・」は、CDプレーヤーなど新製品を出す際には、当然ながら、社内の旧製品の部門を整理しなければならず、やはり、当該社員は不満であったが、盛田はそう語り、開発姿勢を示していた内容である。

一言でいえば、イノベーションである。
*巷間、”革新的”などで使用されるイノベーションですが、本来の意味は「何かを新しくする」です。

彼も神様ではない。負けることもある。ただ、電卓やベータで負けても、その技術をパソコンや8ミリビデオカメラに組み込み挽回した*。

そうなのである。研究開発にはそういう面が大いにある。目的の達成には多くの仮説を立て実験を行なう。そのような行為の蓄積が企業の財産であることは、わかっていても実行できる経営者は少ない。

いや経営者だけを責めることは出来ない。四半期ごとに利益を求める株主も問題なのかもしれない。皮肉にも、生前、盛田は、その四半期ごと、所謂、「アメリカスタイルはアメリカの経営の問題点*」として指摘していた。今、その真似事をした日本がそうなってしまった。

・・・アイデアの良い人は世の中にたくさんいるが、良いと思ったアイデアを実行する勇気のある人は少ない**(盛田昭夫)



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<参考>
*大前研一「今こそ盛田昭夫を再評価せよ」『文藝春秋』2009.6月号,pp142-150.
**ビジネス哲学研究会『心に響く名経営者の言葉』PHP研究所,2009.
Wikipedia:盛田昭夫井深大
盛田昭夫ライブラリー←ここにも多くの盛田語録が掲載されていますのでご参考ください。
ソニーの歴史(公式ホームページ)

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