リチウムイオン電池(Wikipedia)に関して、一般論的には―
リチウムイオン電池は、ノートPC、携帯電話などにはじまり、自動車、さらに、今後、公共的な乗り物(バス、次世代電車)、蓄電的な用途(住宅、太陽電池等との併用など)、また産業機器など、用途の拡大が見込まれる電池であり、将来的に大きな市場へと成長することが予想されている。
という見解は妥当なものである。
その産業の中心地とも言えるのは、日本の関西地方であり―
「『バッテリーベイ』という言葉をご存知だろうか。日本のリチウムイオン電池、太陽電池の生産拠点をマップ化すると、両電池ともに関西に集中している。」(p2)
最近では―「NASAが宇宙ステーションプログラムでの置き換えバッテリとして、宇宙産業で実績のあるバッテリメーカではなく自国のベンチャー企業が開発したオリビン系の大型LIBを採用するに至っている。(注:LIB=リチウムイオンバッテリ)[1]」ほどである。
そもそも、リチウムイオン電池の産業規模は、2000年に約3,000億円、近年(2008年)では、約1兆円市場へ成長している[2]。
その内訳(=市場占有率)は、2000年時点では、日本企業が約93%を占めていたが、2008年度では、中国、韓国企業が追い上げ、日本企業のシェアは約48%である。
この傾向は、今後加速されるだろうが、それは、最終の組立メーカの話であって、この電池の主要4素材(正極材、負極材、電解液、セパレータ)に関しては―
日本の化学・素材系企業が世界市場で圧倒的なシェアを占める。(p9)
こういった企業も、リチウムイオン電池の製造拠点と同様に、関西に集積している。
・・・低炭素社会へ― などと言われますが、原発もそうですし、日本には、その社会に対応する技術が蓄積されていますね。
*もちろん、安全性へのリスクは妥協できません。
<参照元>
「バッテリースーパークラスターへの展開~電池とそのユーザー産業の国際競争力向上へ向けて~」、日本政策投資銀行、2010年5月。
*こちらのリンクの中頃に参照したレポートのPDFへのリンクがあります。
<参考>
[1]「宇宙用リチウムイオンバッテリの標準化動向」、
日本航空宇宙工業会、会報「航空と宇宙」、平成22年9月 第681号。
[2]「【概要】情報経済革新戦略(PDF形式:10,371KB)」、経済産業省、産業構造審議会情報経済分科会 報告書の公表について、3枚目のスライド参照。
*こちらのリンクの下部にPDFへのリンクがあります。
0 件のコメント:
コメントを投稿