企業の最適構成員数――などは業種、構成員の能力など、決定のしようがないことは言うまでもない。
しかしながら、一人のトップの限界人数は大よそ決まっている。
もちろん、(グループを含み日本で最も従業員数の多い)日立のような巨大企業から、数人の企業までその人数は様々であり、また、実際に運営されているので“決まっている”というのは言い過ぎかもしれないが――
トップが、「その従業員の人柄、嗜好、また家族構成などまで把握し、深く付き合いながら企業を運営していく」と定義すれば、その限界人数は、大よそ“観光バス一台分”程度である(らしい)*。
*数年前に大学での講演で、ある企業の元幹部の方が松下幸之助さんを回顧しながら語った内容で、書籍、雑誌での出所は本ブログ運営者は把握しておりません。
それ以上大きな組織では、一人の管理者が、組織構成員全員の評価、例えば、人事評価を行うことは極めて困難なタスクとなる。
とはいえ、組織は、当該組織の目標を達成していかなければならないので、母体が大きくなればなるほど、後継の人材を育成していくことは重要な議題となる。
では、どの程度の育成費が必要なのか?
GEやサムスンでは、大よそ売上高の約1%であり、独自の方法で時間をかけて、人材を育成する(残念ながら日本企業は0.1%程度である)。
観光バス一台分では、大よそのパーソナリティを把握しているので、変化するビジネス環境へも、『あぁ、これは○○さん』と対応できる(トップが人事を指名するという点で)。
が、組織が大きくなれば(いや観光バス一台分以上)、より教育も費用をかけて熱心に行わなくてはならないことは、GE、サムスンの例など、グローバルな企業では、意思決定の内容そのものが企業存続の生命線だからである。
そう、そのような人事、教育システムがないことのほうが致命的であろう。
・・・結局、教育費の盲目的な削減は、将来の利益からの借金に過ぎません。
<参考までに>
○組織理論―マクロ組織論
社会集団としての組織の構造やデザインを問題にしており、アプローチは社会学的である。組織目標を達成する上で、どのような組織構造にするかなどを取り扱う。
○組織構造の理解―有機的組織と機械的組織とは?
機能的か、逆機能的かは、組織を取り巻く環境により左右される
○企業の教育費のくだりは以下より。
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