失われた20年ともいわれる長期経済停滞から日本が再び躍動する社会に再生し、世界をリードしていくにはどうしたらいいのだろうか。
「多様性」―そのキーワードの中で、著者は、「集積」をひとつに挙げている。頭脳が集積すれば、種々のシナジーを生む。
これからは、多様性と自律性が本質的に重要で、あらゆる組織間、都市地域間、国際地域間において、知の交流と人材の流動化を活性化する必要がある。
将来的な日本についても―
産業集積、知的集積、知的クラスターなどを核とする独自の特色を持つ地域を、たとえば10ぐらいの連邦のようなかたちで作る。それらが競争、連携することによって日本中に知のルネサンスが起き、ひいては世界をリードするイノベーションの場となる可能性がある。
と言及している。
さて、企業においては、このレポートではないが、“頭脳集積”について述べている。
以下は知的財産研究所編, 『特許の経営・経済分析』, 雄松堂出版, 2007, 第5章 頭脳集積の必要性を参照。
それは、学術と関係性が深いバイオ技術分野の特許について調査、分析されたもので、特許の発明者とその特許に引用された学術論文著者所属機関の距離*は、中央値で約4,300kmであるが、特許の発明者間の距離はわずか31.7kmである、というものである。
* 距離は例えば東京―大阪間のような物理的な距離のこと。
この結果から、著者は―
特定の国や地域の近距離に頭脳が集積していることがその国や地域の産業競争力強化のために重要であるを示唆している。
とまとめている。
(ご紹介まで)
<参照元>
○「知の時代の到来」日本再生への提言経済産業研究所, 2010年11月9日
<参考文献>
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