1980年代にモトローラによって開発され、ジャック・ウェルチの下でGEで大成功を収めたシックスシグマ。90年代以降日本でも流行し、四半世紀以上経過しました。現代のシックスシグマとは?かつてのブラックベルトが考察します。
この記事の要約(by ChatGPT)
- シックスシグマは1980年代にモトローラによって開発され、90年代に日本で普及したプロジェクトベースの手法でDMAIC(Define、Measure、Analyze、Improve、Control)という5つのプロセスを使用。
- 日本の製造業では特にQCツールとの親和性が高いが、一部の生産現場ではアレルギー反応も。
- データ分析とAIの進歩により、効率化と効果の向上が実現。
- シックスシグマは問題解決の基本フェーズをパッケージ化したもので、従来の問題解決業務に比べれ、進捗管理とメンバーの次フェーズへの準備には効果的。
シックスシグマは、プロジェクト形式で、5つのプロセス(DMAIC)で進めていきます。
Define(定義)、Measure(測定)、Analyze(分析)、Improve(改善)、Control(管理)の各フェーズ
ツールはQCと親和性が高く(というよりQCの道具を使用します)、とりわけQCを進めてきた日本の製造業では拒絶反応少なく受け入れられました。
経験的には、シックスシグマは、エラー率(100ppmなど)を算出し、目標、指標にするので、プロジェクトでは、最初にZD(ゼロ・ディフェクト)を軸に置かない説明からするのですが、ZDを教育された生産現場のアレルギーは相当なものがありましたが。。。
このような特徴から、QCを進めてきた製造業では、通常業務でもシックスシグマのツールを使用するため、現代の技術、特にデータ分析やAIの進歩は、シックスシグマの実践に大きな影響を与えています。
では、日本でも流行した90年代以降と比べて、現代との変化点はどのような点でしょうか?
最も大きな点は、通常業務でもそうですがデータ分析の進歩です。これにより、シックスシグマの各フェーズにおけるデータ収集や分析が容易になりました。たとえば、従来は手作業で行われていたデータ収集や分析を、自動化や機械学習によって効率化できるようになっています。そして、Analyzeフェーズでは、AIを用いて、データからパターンや傾向を自動的に抽出することができます。
また、AIの進歩により、シックスシグマの取り組みを支援するツールやサービスが開発されています。これらのツールやサービスは、データの収集・分析・解釈を支援し、シックスシグマの取り組みの効率化や効果の向上に貢献しています。
以上のように、データ収集の効率化、高度化、取り組みの効率化は、シックスシグマの実践をより効果的かつ効率的なものにしています。従って、今後も、技術の進歩によりシックスシグマは、従来のプロセス改善に加え、新たな可能性をもたらすと考えられます。
ただ、シックスシグマは決して特別な手法ではなく、問題解決の基本フェーズを”DMAIC”としてパッケージしたものですので、シックスシグマに拘らずとも、何らかの問題が認識され、解決に取り組んでいる組織のチームで享受している効用と同様の効用がもたらされていることも事実です。
・・・とはいうものの、フェーズを表記する利点は大きく、進捗が把握しやすいこと、また、次フェースを意識することで、メンバーの準備、考え方(心構え)は大きく変わります。
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<当時に読んだ書籍>
ピーター S.パンディ, 『シックスシグマ・ウエイ実践マニュアル』, 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版, 2003)
マイケル ハリー他, 『シックスシグマ・ブレイクスルー戦略―高収益を生む経営品質をいかに築くか』, ダイヤモンド社, 2000.
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