設計理論の考察(実践への応用):③公理的設計とは?文献レビュー

2024年3月15日

設計理論の考察(実践への応用)

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 前回記事の宿題:調査した資料の深堀が本日の記事です。



「公理的設計」とはどのような概念なのだろうか?
イメージをつかむためには、まず検索しますよね。ここでは、ネットにて「公理的設計」で検索し、設計論周辺にまで言及するいくつかの記事、サイトを紹介します。これらで設計行為の本当の大切さを感じることができると思います。


設計理論に関する研究を扱っています。設計の基本原理を体系的に理解し、適用する方法について解説されています。特に、設計公理としての機能的要求の独立性と情報量の最小化に焦点を当て、これらの原理を実際の設計に応用する例が紹介されています。また、情報量の概念を利用した設計評価方法についても説明があり、公理論的設計法が設計作業の効率化にどのように寄与するかが示されています。

この文献では、設計の本質とその科学的アプローチについて論じられています。特に、設計行為を客観的に捉え、その過程を体系的に理解しようとする試みが紹介されています。設計が単に物を作る行為ではなく、機能や要求仕様を満たすための知的活動であるという視点が強調されています。また、設計過程の理解を深めるためには、その背後にある知識や機能の構造を解明することが重要であると指摘されています。

この論文では、設計プロセスを理論化し、シミュレーションを用いて検証するアプローチを取り、製品開発における国際競争力の源泉を分析しています。公理的設計への言及は、これを基礎として設計プロセスのシミュレーションモデルの構築を試み、そのプロセスを通じて製品設計の本質を探求しようとしています。公理的設計の概念を利用して、設計プロセスの異なるアプローチ方法や製品アーキテクチャ(モジュラー型とインテグラル型)の影響を分析することにより、製品開発のリードタイムに及ぼす要因を解析しています。


これらの記事は、設計の本質、良い設計の条件、そしてAIによる設計自動化の可能性と限界について、深く掘り下げています。最初の記事では、設計を機能要件から具体的な形に変換する過程を芸術と科学の融合として捉え、この複雑なプロセスをAIがどう実現可能かについて議論しています。続く記事では、設計とは機能を形状や構造に変換する行為であり、逆問題の典型とした上で、良い設計を作り出すための条件、すなわち有用性、存続性、操作性を基準に設計の多目的最適化問題としての側面を探求しています。最後の記事では、設計の自動化におけるAIの役割と人間の不可欠なクリエイティビティや評価能力のバランスに焦点を当て、深層学習や強化学習などの技術的進歩が人間とAIの連携を通じて、設計プロセスの未来をどう形作るかを論じています。これらを通じて、設計におけるAIの活用とその挑戦、そして人間の独自の価値を統合的に考察しています。


この研究は、品質工学の基本機能の数理的基礎付けに関するもので、公理的設計を含む複数の設計方法論の機能について詳しく検討しています。品質工学の基本機能を数理的に基礎付けることにより、技術者の知見や経験に依存することなく、製品や技術の技術課題を合理的に設定することが可能となります。また、これにより品質工学における技術課題の解決を効率化することができることが示されています。本研究は、品質工学、公理的設計、体系的アプローチ、一般設計学、1DCAEなど、異なる設計方法論における機能の特徴と課題を整理し、これらの比較を通じて新たな数理的基礎付けの方法論を提案し、その有効性を検証しています。


次回の宿題:
  • Nam Pyo Suh(原著),中尾 政之 (翻訳), 飯野 謙次 (翻訳), 畑村 洋太郎 (翻訳)『公理的設計』,  森北出版,2004.
  •  Nam P. Suh (原名), 畑村 洋太郎 (翻訳), 『設計の原理』, 朝倉書店,1992.


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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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