「マーケティングとは、顧客に向けて価値を創造、伝達、提供し、組織および組織をとりまく利害関係者を利するように顧客との関係性をマネジメントする組織の機能および一連のプロセスである」(アメリカ・マーケティング協会)。そして、理想は「セリングの不要」である(ドラッカー)。
マーケティングは「製品を売り込む技術」からその役割は大きく広がっていると考えられるようになっている。よく耳にする統合型マーケティングにおける4P:
Product(製品:顧客からは顧客ソリューション)
Price(価格:顧客からは顧客コスト)
Place(流通:顧客からは利便性)
Promotion(プロモーション:顧客からはコミュニケーション)
など、その価値をうまく、伝達し、種々のマーケティング活動を連携させ、効果の最大化を狙うのである。
その姿はすでに、マネジメントのスタイルを部門から、全部門連携へと変化している。
伝統的製造業において、品質保障部の役割で考えると、分りやすい。( 客観説TQM研究所参考)
品質保障部の責務は、研究開発部門から製造、出荷までの工場業務において:
①各部門がルール(ISOや企業の業務手順)に則り、業務を遂行しているかの品質保証
②各部門の成果物(=品質のつくり込み業務)を統合的に管理する品質管理
である。それは品質のマネジメントと言えよう。
いわゆるすべてのプロセスと関わりをもつということであり、マーケティングも同様である。企業の内部においては、各部門(経営者も含まれる)の顧客志向を評価していき、外部には種々にコミュニケーションを図り、その効果を定量化していくのである。
よく、ビジネスマンの必要スキルとして、英語、IT、財務が挙げられる。これは、部門に関係がない。ビジネスがグローバルに展開していなければ、英語の必要性は低いかもしれないが、インターネットの情報は多くが英語であるため不必要とも言えない。
また、上の品質保証部、マーケティングのことから考えると、異なる部署間の共通の尺度は”お金”であるため、財務の知識は欠かせない。
今後の組織構成員がそのような人材に成長すると、今ある過剰な管理費用を削減できる。一般的な製造業では、すでに団塊世代はおらず(もしくは嘱託化し)、工場に残っているのは、組立てをしながら、生産設備を修繕、改良できる正社員と大勢の非正社員、販売の現場では、容赦のない職場変更を行なってでも、人員を削っているなか、削れるのは、管理費用しか残っていない。
が、このような合理的に資本をモノと見なすのは実は弊害となる。日本の管理者や経営者は欧米のように高給取りではないし(新入社員の100倍、200倍もらっている人は皆無だと思う)、部長クラスにお迎えの車は来ない。
となれば、統合的に業務を進めていくように組織をリードすることが責務となる。品質分野でトップクラスになれたのは、日本にはそもそも業務をコンカレントに進めてきた文化があったからである。この文化がまだ残っているのであれば、種々の業務もそうしていくことが、マーケティングに関わらず、企業の地道に果たすべきことである。
・・・21世紀のマーケティングとは言っても、それはすでに、企業のあり方さえ問うマネジメントなのである。
<参考書籍> *第一章 マーケティング・マネジメントの理解を参考。
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