MBAのコースやマーケティングでは、必ずケース分析を行なう(特にマーケティング)。様々な企業のケースを学び、そこから、課題、問題点を抽出し、どうすればいいかを議論していく。それは、問題発見能力の涵養なのである。
通常、マーケティングに関する部署は企業の本社にあることが多い。研究開発や生産活動が最適地活動となっても、マーケティング機能を有する部署は本社から離すべきではない。
マーケティングはいわゆる「儲かる仕組み」や「効率を高める仕組み」など何らかの「仕組み」を創っていく機能がある。
単に、広告や宣伝をマーケティングと呼んでいるのであれば、それは広告代理店に任せれば良い。
いわゆる「仕組み」を創っていくのであるから、彼らは、経営戦略、組織戦略、技術経営、はたまた財務などMBAでの基礎知識はだいたい実践で身につけている。身につけていなければ、「仕組み」を創れない。それが、本社から離れてはいけない理由なのである。
そういった機能(能力)を維持する訓練がケーススタディなのである。ケーススタディに記載されている情報のみで議論する(ケースの情報は結構詳しい)。その企業が現在、どうなっているだの、私はその企業の人を知っていて現在はどうであるだのは関係ない。ソニー、松下といえども、ケース上のソニーや松下なのである。
「問題発見能力」を養うことが目的であるから、ケース上の話でいい。
また、議論していく中で、種々の主張を収斂させていく訓練は組織では貴重である。
実際にやってみるとわかるが、「この企業はこれからどうするべきか」などは、当該企業の財務、戦略、組織、もちろん製品やサービスをケースの中から抽出し、強みを活かすのか、弱みを補強するのか、種々の議論になる。やはり、基礎知識がなくては話にならない。かといって頭でっかちでもいけない。
・・・畳水練と言われても、自社の売上、営業利益率、研究開発比率、ROEやROAなど基本的な企業情報を言えないマネージャーよりはマシですよね。
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MBAの基礎知識-書籍紹介
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