眠る従業員

2008年3月11日

MBA

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イノベーションは現代企業の課題として取り扱われるキーワードである。これまでに、カイゼン、TQM、シックスシグマなど、いまや従業員は品質や業務効率に関するものまで取り扱うことができるようになっているが、イノベーションは、研究開発、開発設計者のものであろうか?

<何かを新しくする>ことがイノベーションの語源であるなら、全従業員に関するものであるともいえる。それは、パート、アルバイトの方かもしれない。

そのようなことはないと経営者は考えるが、つい数十年前まで、品質や業務効率に関することは専門家にしか出来ないと考えていたのも、他ならぬ経営者である。

資本の効率化にその意義を唱えるものはいないが、近年、それは行き過ぎてはいないだろうか?と感じる方々も多いと思う。無駄をとり続けると、創造的でなくなるような感覚があるのは9時-5時の業務が完全に管理下に置かれれば、創造性を発揮するまでもなく、業務を終えてしまう。

おそらく、企業は黒字になるであろうが、残念ながら、(成長産業でない場合)全部門(もしくは事業部)で黒字を達成してしまうであろう。残念なのは、育てる事業がないため、現代のビジネス環境ではその企業は10年もたないであろうと考えるためである。

研究開発者であれば、ひたすら議論をすることも、誰とも話さずに思索にふけるのも、途方もない実験を実施するのも重要な時間である。管理できるわけがない。そして、これは、研究開発者以外の従業員も同様である。

「うちは研究開発に多く投資しているから」と安心し、革新的なものを要求するわりには、革新的なものが如何に売れにくいかがわからないエグゼクティブは多い。

そう、従業員の創造性は眠っているのである。それは、古いメンタルモデルが足かせになっており、「ゆとりのなさ」という現象でシグナルを発している[1]。

おそらくは、従業員は、従来の考えから逸脱しないようなアイデアを提案するであろう。なぜなら、それが通りやすいから。

・・・従来の考えに凝り固まっているのは、上級幹部であることが多いのである。

*この記事は以下の書籍の第三章を参考にしています。[1]はpp62-69の主旨です。

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