“先見性”とは(恐らくは)-現状を正確に認識し、それをもとに将来を洞察する-ことであろう。また、それは“ビジョンを示すこと”や“不確実性に備える”行為かもしれない。
MBAなんていらない-
このセンセーショナルなタイトル(『MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方』)でミンツバーグはダメリーダーの資質を著した。
顧客や従業員、製品や工程に関する知識をろくにもっていない・・・
この議論は米国の教育が世界的にレベルが高い(とされている)故に、単なる経営学の修士課程卒業者に過大な期待と報酬を与えてしまった故であると思う(というより上記のリーダーはMBAに関係なくダメだろう)。
日本の場合、技術立国とされていた時代においても、理学、工学修士が米国のMBAのような厚遇を受けない反面、マネジメント能力が低い故に他国や地域の企業に出し抜かれることも多い(関連記事)。
技術者でいえば、“先見性”とは、行為で示せば“備える”ことであると思う。
たとえば、将来においての商品から、現時点で確立すべき技術を研究し、マネジメント的にはその価値を算出するなど*、である。これは上のダメリーダーにはできない行為である。
- *テクニカル的には、TRIZ-DE(将来の市場・商品の予測を支援するTRIZの最新手法)にReal Options Analysis (ROA)-リアル・オプションを組み合わせる方法が代表的です。
問題解決型のプロジェクトにおいても、リーダーは、(たとえそれが try and errorであっても)“次にすることを示すことができる人”が、本記事の主題に適合する人である。
備えるにせよ、次を示すことが出来るにせよ、これらは、従来型とは異なり、いわば、不確実性に対応していくのであるから、チームのタスクが多くなる傾向が強い。
ならば、結局は、「ヒーロー型のマネジメントを行なう傾向(参考書籍~はじめにより)」の強いリーダーよりは、内はチームに、幹部に、外には種々の機関に調和の取れる「調和型」のリーダーの方が適しているといえる。
・・・「調和型」のリーダーは不確実性に備えます。「ヒーロー型」のリーダーは自身の思う施策を実行します。ダメリーダーは責任回避のための言い訳を考えています。
<関連記事>
○対応すべきはEUである。協調すべきは中国、韓国、台湾である。
○リーダーの得意技は【測定系】の決定にある。
○リーダーは、あっさり【譲る】ことも必要である。
○リーダーは【他人の頭】をうまく使う。
○リーダーは【平凡な人】を良く知っている。
<参考書籍>
ヘンリー・ミンツバーグ, 『MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方』,日経BP, 2006.
photo by Maco
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