社会人学生である私はこの時期、懐かしく思う。それは、就職活動の学生をキャンパスで見るからだ。私たちの時代とは変わったもので、現在は比べ物にならないぐらい多くの情報を手に入れることが出来る。しかしながら、不思議なものでMBAの社会人(MBAに限らないが・・・)と彼ら(彼女ら)が一旦PCの前に座れば、情報のソースは平等である。
いくつか、学生が話しをしていたので、企業の側から記載したい。
①平均年齢
②売り上げ
③学歴
①平均年齢
「平均」という言葉が、特に、その数学的意味を発揮するのは、平均を算出したサンプルが正規分布の時に多い。「平均年齢」といっても、例えば、日本とアメリカ、中国ではその分布が異なるため、比較が難しい。企業においても20歳の従業員が500人、50歳が500人と偏っていても、「平均年齢」は35歳である。
若ければいいものではない。若ければ、スタートアップの企業か、離職率が高い(ステップアップにする企業もあるので)こと想像する。40歳になれば、経営層でない限り、居場所がなくなる風土かもしれない(有名企業でこういう企業はあります)。高い平均年齢の企業では、もしかしたら、若手は大切に育てられるかも知れないし、あなたは将来のエースかもしれない。できれば、訪問することが望ましい。
②売上高
トヨタは非常に売上高が高いし、利益も大きい。テレビや新聞からはこのようなイメージであるが、私はそれが優良であるかどうかの指標とは感じない(トヨタは優良です!)。例えば、売上高に対する利益率は意外に高くない。結局、従業員がよく働いていることがわかる。給料が欲しければ、もっと小さい規模の企業でもトヨタより高い企業はいくらでもある。従業員一人当たりの売上高を算出するなど(これは業種内の比較が有効)、売上高のみにとらわれることはない。得られた情報でも活用の仕方ひとつで変わってくるものである。優秀なファンドに勤める者が特別な情報源を持っているわけではない。
③学歴
「面接であの大学(有名校など)と同じだった、大丈夫か?」
一種の公務員や学閥が有名な企業(これから何十年も勤めるのであれば、このような企業は考えたほうがいい)でない限り、学歴の有効期限は学生の間だけである。今後はあなたが何をしたかという職歴である。
営業マンは売り上げ、利益、研究職は研究成果・・・ビジネスは結果である。受験のような完全平等競争(受験日時、出題範囲が決まっているなど)は二度とない。中堅企業が超大手を相手に戦わなければならないときもある。運であろうが、本人のスキルであろうが、結果がすべてである。仕事を与えてくれるのは入社して間もなくだけであり、あとは本人が切り開くものである。
たまたま、同じ有名校の従業員に出来が良くない者がそろってしまうと(その有名校は不運であるが)、その有名校出身であること自体が、仕事が出来ない烙印となることもある(実際の話です)。
人事が見るのは、「対策」された受け答えではない。自分の言葉で話せる人である。
専門分野外の人事担当に、これからゼミで研究する内容や現在研究している内容を、10秒ぐらいで簡潔に話せる人である。
「理解できないほうが悪い」は、傲慢である(よっぽどレベルの低い人事なら仕方がないが・・・)。社内においても専門の技術さえわかりやすく説明しなければ、理解してももらわなければ、良い技術なのか悪いものなのか判別できない。
それでも不採用であれば、社風に合ってないと諦めることである。完全競争ではない。あなたが希望する業務で募集がなければ(企業内で補充の要請が人事になされていなければ)、採用されないのだから・・・。
・・・釈迦に説法でしたか・・・。
photo by Maco
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