チーム力

2007年6月14日

品質はこうして落ちていく

t f B! P L
製品開発や研究活動において、いや、ほとんどの業務において、企業が利益を生み出す行為はチームプレイである。中には、総務などの仕事を雑用扱いするなど、大きな勘違いをするものもいるが、目立たないが重要な業務も遂行しているものである。

研究活動といえども、それが利益を生むようになるには多くの人材の力が必要である。特許技術といえどもそれを権利化するまでのプロセスを単独で行う研究者は皆無である。生産現場での職人も製品の仕様が決まらなければその腕を発揮することはできない。敏腕営業マンも売る製品やサービスがなければ、その腕を発揮できない。

いかに優秀な経営者であっても、従業員がいなければ経営をすることはできない。

さて、チーム力をどのように知ることが出来るか?
スポーツに例えるなら、全員野球型なのか、(サッカーでも見られる)一人の王様が統率するのか、アメフトのような完全分業制なのか、チーム形態や置かれた状況により、その能力を測ることは困難である。
いえることは、企業が負けるときはチーム力が低下しているときであり、大抵の場合は、そのチームの倫理も低下している。

例えば、保身や野心で「成果」を出すことを目的に「作戦」を立案したり、これまでに比して、企業内で罵声が飛び交ったり、じわりじわりと品質が低下したり、はたまた、なぜか辻褄があわない経理上の金額が発生したり・・・

と種々の現象が起きるもので、それらを測定系にしても良いだろうが、頻度は低いが、最も有効な測定系は、予期しなかったことが発生した時の対処がチーム力を如実に表現する。

現代は、一昔前に比べて時間の流れが速くなり、ともすれば、通常の業務に忙殺されてしまう。一昔に比べると、従業員のスキルアップの時間は通常業務に費やされていると言っていい。学習しない組織は必ず破綻する。そのような兆候は、たとえ、現在が良好であっても、破綻のシグナルだと考えたほうがよい。

残念ながら、一昔とは違い、右肩上がりは保障されなくなってしまった。時間の流れが速くなり、スキルアップの時間を短縮された従業員が多くなっているかもしれない。

・・・大手といえども、全員を雇う余裕も理由もなくなったのである。

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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