製品開発において、よくでてくる言葉が「次世代○○」である。どうも販売や企画はこの言葉が好きらしい。いやいや、研究者も好む言葉である。しかし、私はこの言葉が出てくると、つまらない。大抵の場合、この言葉を使って議論するのは評論家であるからである。現場や製品、顧客をよく把握していない従業員はマネージメントをする権利を有していないと考えているからである。これはMBAであっても関係ない。
彼らはこの用語を正しく使わないので議論にならないのである。
例えば、次世代○○の○○にある商品をそのまま当てはめる。例えば、「次世代テープ」。テープはテープである。テープである限り次世代ではなく、単なる改良、ハイエンド化に過ぎない。「次世代カー」もそうであって、車は車であり、移動手段の一つに過ぎない。燃料電池車であっても移動に要するエネルギーをガソリンから電池に変換したものでしかない。
つまりは、商品からひとつディレクトリを高めた言葉が入らないと議論が進まないのである。
次世代記録メディアと考えると、テープ、MD、CD、DVD、ハードディスクなど技術の進化を考えることが出来る。ここまでくると小姑のようだが、議論が進まない会議ほど退屈なものはないし、次世代製品を半年や一年で開発してくれと言ってくるセンスのなさには辟易してしまう。次世代商品は簡単につぶされる危険性が非常に高い。その業界のバリューネットワークを変更することになるし、市場ではイニシアティブをとらなくてはならず、マネージメント力が試されるからである。
・・・何もしないことが唯一の長所であったマネージャーは多い。
0 件のコメント:
コメントを投稿