製造業など事業所によっては、定期的に中央労働災害防止協会などの機関による安全診断を実施し、従業員の活動のチェックを行なう。特に、事故が起こると悲惨な生産ラインは念入りに行なわれる。やはり、外部からの診断を受けることは、内部で推進するよりもいい機会となる。
最近では、「エキスポランド」(大阪府吹田市の遊園地)のジェットコースター脱線死傷事故は、あと少しの期間で次期安全点検が控えていたが、営業を続けあの痛ましい事故に繋がっている。
顧客や従業員の「安全」を形式的な挨拶程度に唱えるだけの経営は、行き過ぎた業績至上主義の副産物であり、モラル低下の良質な測定系である。
大抵の場合、そのような企業の内部は倫理が欠けている。お金のことしか頭にない。ある企業では、新たな会長就任に当たり、工場視察が安全診断日と重なり、安全診断日を後ろにずらしたそうである。彼らの方針は、なによりお金をください、出来れば、従業員が安全で、さらに出来れば、コンプライアンスを忘れずに・・・程度なのである。彼らのような人種は「顧客、安全事なかれ主義」である。
「事なかれ主義のリーダーは二つの罪を犯す。まず下の人々の心を壊し、次に組織を殺す」(日本経済新聞2007.6.18 朝刊-春秋より)
・・・残念ながら、彼らがいつも読んでいる日経でも、これが自分のことだとは気付かないであろう。
photo (c) Maco
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