なぜ売れない、高まる新製品リスク

2006年12月13日

t f B! P L
日経ビジネス2006.8.7 14号では、『「主力」「大型」もまさかの空振り、なぜ売れない、高まる新製品リスク』と題して、企業が送る「自信作」の空振り具合を掲載している。

その中に、カシオ計算機の「エクシリムプロ」が掲載されていた。いわゆるEXILIMシリーズである。このシリーズはEX-S1(写真)に始まり、2002年6月発売当初は、「これはすごい」と当時、デジタルカメラ購入を考えていた私を大いに悩ませた(学生時代に初めて手にしたデジタルカメラはカシオのものだったのも大きい)。

結局、他社のコンパクトカメラを購入したが、周りには購入した人もいた。そのカシオが「自身を持って」発売したのが、「エクシリムプロ」という中・上級者向けのデジタルカメラである。 日本写真工業会の出荷台数、出荷金額から、単価を求めれば、年々一台あたりの単価は下がり続けている。 

今年、同様の高級モデルとして、キヤノンからpower shotG7が登場した。量販店では納期待ちが多く、品薄である(写真下)が、最近G7を購入した。ブログをはじめて、写真を多く撮るようになり、手持ちのデジタルカメラを使用するうちに、だんだん物足りなくなってきていたことが背景にある。 

このようなことは、良くあることである。私も、それほど!とは考えたなった技術が、経営的に貢献し、!!と感じたものはほとんど売れなかったこともある。 
この現象は説明が困難であるが、キヤノンとカシオのスタンスを考える。

キヤノンは高級機種に一眼レフを有している。G7のような高級デジタルカメラは、一眼レフユーザーにとってはおもちゃかもしれない。

このことはニコンも同様である。 キヤノン、ニコンにとって高級デジタルカメラと言えども、最も高価な一眼レフに誘引するための商品なのである。その点、カシオではその先を考えると、キヤノン、ニコンに比べ不利である。  

カメラ自体を「画像記録機器」と考えると、エクシリムプロのポジションは中途半端なのかもしれない。ユーザーの評判は「非常によかったのに」・・・。 

家庭をもつキヤノンのユーザーが言っていた。 「子供を多く撮影するけど、キヤノンで撮影すると、プリントアウトしたものにノイズがすくないんだよな」 

・・・売れ行きは商品力でなく総合力がものをいう時もある。。。 

<写真> カシオHP、キヤノンHPより。

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