製品開発

2006年12月1日

研究

t f B! P L
製品やサービスの開発に一般解は存在しない。しかし、その企業の構成員により決定された案件であれば、おそらくそれが正解である。時に、声の大きな人の一声で決まってしまうことがあるが、それも正解の時があるのが経営学の妙といえる。
未来製品・サービスのアプローチでは、成されるディスカッションが発散しないように注意すべきである。ある製品の未来について、その構成部品のおおよそ5年後と社会、規制のおおよその10年後、その製品が使用される想定シーンが2年後では、アンバランスで、製品・サービスは顧客に受け入れられない。この辺のロジックをまとめるにはTRIZの進化の法則が良く出来ている。

技術者は革新性を求める嫌いがあるが、最終決定者は顧客である。

なぜ売れたのか?それが製品・サービスの開発に依るとき、その企業の開発チーム、キーパーソンに着目することが多い。これは、組織学、心理学との融合だといってよい。

シャープの液晶テレビも途中でテレビ事業から撤退していれば、電卓戦争で終わっていたかもしれない。家電で巨大企業である松下は、いまだに巨大である。その昔は、ホンダのアメリカでの成功物語が有名である。

リーダーシップ、先見性、戦略、マーケティング・・・分析するには好適な用語である。我々MBAは失敗しない選択をすることが出来るであろう。だが、失敗しないことは持続的競争力を保つことには少し寄与率が低い。

確かに、「真剣にやらないでできるものはなに一つない(ゲーテ)[1]」「不屈の精神」などが前面に出されることがあるが、私の経験から、そのチーム、キーパーソンを突き動かす背景は、宗教者の「使命感」とは異質な「単純な好奇心」である。最先端、未だ解き明かされていない課題に興味がないわけがない。技術者がMBAの背景に突き動かされると、いつかは破綻してしまう。

生涯にわたり、プロジェクトXを出来る人はまずいない。

・・・しかし、「単純な好奇心」旺盛な成功チーム、リーダーは周囲の個性を消してしまうこともある。

<参考>
[1] ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈上〉
ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈下〉

photo (c) Maco

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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