1940年代、資本主義、社会主義の優劣に関する議論は盛んであった。しかし、考えを異なる軸で考えたのはシュンペーターであった。
*イノベーションなどの概念はこちらでも詳しく説明しています。
「人口増加など生産要素の増加がないとき、どうして経済は停滞しなかったのか」
「競争があるにも関わらずなぜ利潤は消滅しなかったのか」
と問い、生産要素の結合のしかたが変えられた(新結合)、と帰結した。
このような行為を「革新」「創造的破壊」と呼んでいる(「革新」はイノベーションとされる)。分類すると:
①新製品あるいは新品質要素の生産
②新生産方式の導入
③新市場の開拓
④原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
⑤新しい組織の実現
である。
つまり、「革新」を不断にもたらす「企業者」こそが資本的主義経済発展の原動力となるのである。
注意しなければならないのは、例えば特に①~③。この行為のことを言っているのである。成功を保証しているものではない。
ともすると、しっかりしたボトムアップであれば、経営者の役割は⑤ぐらいになるであろう。最近R&D費用を種々の方法で削減することが試みられているが、経営費用も削減の対象となるであろう。
企業の能力が充足されるのであれば、従業員ひいては経営者にいたるまで固定費用は安いにこしたことはない。出番がいつくるともわからない食客を雇う余裕はないのである。
・・・「革新」は未知の世界への挑戦であるから、そこには、必ず「不確実性」「リスク」が存在することを忘れてはならない。
*2010-8-4に文章を一部改訂。
*イノベーションなどの概念はこちらでも詳しく説明しています。
<参考>
宮本又郎 他『日本の近代 11 企業家たちの挑戦』中央公論新社, 1999, pp11-18.
*この書籍は、主に明治に出現した企業家に関する書籍です。体裁もよく、内容も当時の企業家達の奮闘などが垣間見れます。中古で数百円であれば、お薦めです。
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