①多様性を大切にする
②開かれた開発
③粘ること
と、聞いたことがあるような言葉だが、大切に思っている。
多様性とは、クロスファンクショナルかもしれない。一部のメンバーでは、アイデア、コンセプトは固まってしまう。とりわけ、生産現場の方の経験は数字には出来ないほど貴重なものである。「硬い」「軟らかい」などと簡単ではあるが、私には見分けがつかない。その日の感覚で、一年を通して、いつもどおり操業に貢献する。
また、他業種との関わりも重要である。他業種の方の何気ない一言に大きなヒントが隠されていることが多々ある。
開かれるとは、自社にとどまる開発をしない(NIH:not invented hereは排除する)。サプライヤー、自社、大学、ひとつのプロジェクトでも「決め打ち」しない。
最後に粘ること。そもそも、イノベーションの成功確率は商業的になるまで16%しかない。ましてや、ある素材の開発といえば、一年毎日勝負しても一日勝ったらラッキーなほどである。
失敗に見えるようでも、必ずそのデータは何かを示している。「効果がない」との見解も、どのようなメカニズムが効果がないのか、何か条件を変更すれば効果があるのか、効果がある条件を見落としてはいないか・・・考え抜く。
経営学やイノベーションの研究といっても、社会科学である。
過去の事例を研究し、分類や抽象化を行い体系化している。
そこからは、失敗しないマネジメントを学ぶことは出来る。
・・・しかし、私がその博士号を有していたとしても、新二輪車の設計は出来まい。(リチャード・ラメルト:趣意)
California Management Review, 38, 110, 1996, 米国の二輪車市場におけるホンダの成功原因をめぐる継続的な論争より
photo (c) Maco
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