Johnson(2002)はR&Dの流れにあわせて各種の手法を使用することがよいとし、Feo(2002)らは、DefineおよびMeasureフェーズでTRIZを取り入れていることを報告している。
TRIZを扱った書籍でもシックスシグマとのリンケージは語られている(Mann,中川監訳(2004))。
そう、現在のところTRIZとの融合が好適である。
TRIZはアイデアの泉ではないが、シックスシグマの限界を破る可能性と、不連続な技術発展を支援 してくれる。TRIZは過去の特許分析から種々のソリューションを提供しているので、特許を書く人がいなくならない限り、支援は可能である。
しかし、特許を書く人がいる限り、永遠にアイデアの泉にはなれない。銀の弾丸ではない。これはTRIZの評価を下げているのではなく、そうなれば、研究職はコンピューターという最もお金のかからないものとなってしまう。
たいていの製造業はシックスシグマを生産部門で展開する。これは、もっとも親和性が高い。転じて他の部門へ適用するには、工夫が必要である。それは、シックスシグマは銀の弾丸ではないが、その論理によるものである(問題解決プロセスなので)。
展開する上での利点は、クロスファンクショナルさ、そして、トップを利用することである。 そして、問題を特定することである(落とし込む)。これができれば、シックスシグマで解決を試みれば、成功確率は高くなるであろう。
否、すでに企業に問題解決フェーズがあれば、シックスシグマである必要はない。
TRIZですら、問題を特定する一手法でしかない。
これは、シックスシグマのブラックベルトであり、QFD、TRIZを実践する私の実感である。
・・・企業の第一の目的はノーベル賞を取ることでも、最先端でいなければならないことでもなく、顧客を満足させながら利益を獲得することである。
<参考文献>
A.Johnson, “Six Sigma in R&D” Research Technology Management, 47, p12-16, 2002.
Joseph A. De Feo, Zion Bar-EI,"Creating strategic change more efficiently with a new Design for Six Sigma process",Journal of Change Management, 3, pp60-80 , 2002.
Darrell Mann,中川徹監訳,『体系的技術革新』,創造開発イニシアチブ,pp432-433,2004.
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