一般的には―
①顧客および市場調査
②ブレーンストーミング
③デルファイ法もしくは専門家の意見
④シナリオ開発
がよく用いられている。
が、やはり、研究開発というものは、成功率10%程度のものである。どうしても、目利きは必要である。
現在の企業体系を見てみると、団塊の世代がリストラ、もしくは定年を迎えはじめ、「係長」がいない。組織の潤滑油である彼らの不在は、どうしても機能間で他部署と摩擦が生じさせる。
摩擦が生じると、基本的に成果が得られるのは遅くなる。「係長」を進化させ、プレイング技術マネージャーなるものが必要である。いくら優秀な技術者がマネージャー職についたとはいえ、数年たてば、”勘”は鈍るものである。
特に開発がらみであると、数年のブランクは死を意味する。しかしながらジェネラルマネージャーは必要である。「管理」「調整」は組織には欠かせない職能であるからである。
これらを効率よくするものは、標準プロセスと共通言語である。
標準プロセスはその企業が採用している、問題解決プロセスでもいいし、企業独自のものであってもいい。標準プロセスは管理を円滑にする。
研究開発者、設計の技術論は、はっきり言ってわからない。彼らにそれを求めなければ、技術用語を一般用語に翻訳しない。それほどの能力がある彼らに、現在の状況は標準プロセスのどの段階にあるのかの説明を求めることは意外に容易なことである。
しかしながら、一般的に研究開発者、技術者は、それを控えめに言う。コストは多めに見積もる。何かはわからないが、不確実なことへの対応として定量化されていないので多めに見積もることが、最も安全であるからである。
これはこれで、正論であるが、無期限に資源は投資できない。
ここで、共通言語として、「お金」を用いる。シックスシグマでいうCOPQ(Cost of poor quality:劣悪な品質がもたらすコスト)の概念である。研究開発ではアイデアの段階での価値評価を行ない、それに適用する。当然、一般的な評価を用いると、年限は必要なインプット事項であるが故、無期限採用は棄却できる。評価方法はアイデアの技術連続性により異なるであろう。
・・・企業の開発は「製品のアウトプット」が先にくる。それを満たす技術は必ず幾つかある。要は、開発行為は、いくつのオプションを持つかが最大の備えとなる。その累積加算価値がチームの無形資産価値であることはいうまでもない。
<参考>
『イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マネジメント』pp231-235, 7.6 イノベーションの普及を予測する の中の 採用のパターンを予測する より。
0 件のコメント:
コメントを投稿