シックスシグマは経営品質を高める手法だと言われている。シグマ(σ:標準偏差)から連想されるイメージは品質改善である。
実際、モトローラ、GE、ソニーが導入した経緯は、種々の文献からは「製品の品質」が問題となっていたことである(”シックスシグマの導入と全社展開のプロセス”、”シックスシグマの改善インパクト”,DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー, pp118-142, 1998年 7月、GEに関しては、ジャック・ウェルチ わが経営(下))。
しかしながら、戦後、日本の製造業で品質を大いに高めたQCにしても、シックスシグマ同様「ツールの寄せ集めに過ぎない」と揶揄されれば、「企業文化である、いかに行動するかである」と反論するに違いない。
これは、本書でも述べられていることであり、如何に自社化するかが問題となってくるのである。米の企業により教育を受け、ブラックベルトに認定された私の実感である。
イノベーション・プロセスにおいて第一のフェーズであった「シグナルの処理」を行なうにあたり(プロセスについてはこの投稿を参照)、プロジェクト(もしくはチーム)がクロスファンクショナルであることは、成功確率を高めることができる。
紛糾する確率も高くなるが、ボラティリティが大きくなることは、価値が大きくなることも意味していることと、楽観的に受け止めれば、QCの部署内で活動が終わってしまうよりは、効果(や効用)は大きいと言える。
しかしながら、これを継続していくには、学習効果は欠かせない。そういった意味では、従業員の教育と言う観点からは、QC、小集団活動が根付いている日本の製造業では、QCはシックスシグマより優れているかもしれない。
柔軟さを求めれば、構造化を解くことになり、構造化が進めば、柔軟さ欠ける。
この間のどの地点でマネージするかは、企業の文化による。いかなる手法や運営プロセスもそうではないだろうか。
・・・真値を求めるのではなく最適解を求めるのである。
photo © Darren Hester for openphoto.net CC:Attribution-NonCommercial
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