新しい課題、昔ながらの対応?

2006年9月28日

研究

t f B! P L
不確実性と国際化とイノベーションは新しい現象ではない、との示唆として以下は散見される。

生産の絶えまない変革、あらゆる社会状態の止むことのない変化、永遠の不安定・・・。以前に確立された国内の古い産業の全ては、既に破壊されたかもしくは日々破壊されつつある。それらは新しい産業によって駆逐され・・・新しい産業の製品は我々の家庭ばかりか世界の隅々において消費されている。国内の生産物によって満たされていた昔の欲望の代りに、新しい欲望が現れ・・・諸国民の知的な創造力が共有の財産となる。-K.マルクス、F.エンゲルス著、『共産党宣言』、1848年より- 

最近の状況の中で起こっているのは、ルールの明らかな崩壊という現象である。既存のイノベーション・マネジメントに関する研究は、いわゆる“ベスト・プラクティス”を明らかにしようとしてきた。

それらのほとんどは特定セクターにおける経験に基づいている。 例えば: 技術マネージメントの主要なモデル:米国のハイテク企業 商品開発における‘法則’の多く:日本の耐久消費財製造メーカー しかし、イノベーションをマネージする“唯一で最高の方法”はない。

それは、イノベーション・マネジメントの基本的な課題に対する組織の実際の取り組み方には、数え切れないほどのバリエーションがあるからである。 

それでも、背後に横たわる課題は不変である。兆候となるものをいちはやく見出し、どのようにして、戦略的で首尾一貫した対応策を打ち出していくか、という点である。

以前との相違点は、いまやマネージされるべき単位が協力関係にあるプレイヤーたちの同盟集団であるという点である。

手段は変える必要があるし、その手段も進化させる必要がある。 

・・・大いなる挑戦ではあるが、潜在的な見返りは大きい

イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マネジメント』pp25-42 ;記事の掲題は同書1.7 より引用しています。
 photo © Maco

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