イノベーションから得られる利益を専有する

2006年10月28日

研究

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技術的なリーダーシップは、それ自体が経済的利益にを約束しない。この約束を履行する要因(技術に対する投資から利益を確保する能力)は、①技術的な強みを商業的に製品、プロセスへ翻訳する能力、②その強みを模倣者から守る能力、である。  

商業的利益を確保するために、この能力に影響を与える9つの要因は: 
①企業秘密:完全な保護は困難 例)リバース・エンジニアリング、専門家コミュニティ、技術者の移籍 
②蓄積された暗黙知 長く持続する、デザイン技術が典型 
③リード・タイムとアフターサービス 特にプロダクト・イノベーションの主要な保護策。アフターサービスは顧客からのフィードバックを加速する。 
④学習曲線:コストの引き下げと、その企業に特化した強力な暗黙知の蓄積 
⑤補完的資産:生産や品質管理、マーケティング、アフターケア等の能力 
⑥製品の複雑性 例)メインフレーム・コンピュータ、大型民間航空機 
⑦規格・標準:インターネット経済における市場拡大の必須要件。根本的に新しい技術が採用される際には、常に生じていた。 例)鉄道線路の軌間幅、電気の交流・直流、HDTV 競合企業は、切換コストを下げるような(下位互換性)“進化的戦略”もしくは、顧客が切換コストを厭わないような“革新的戦略”で対抗・ 
⑧先駆的で革新的な新製品:大衆消費市場では、革新的な商品は必ずしも当初評価されない。成功者は、ビジョンを持ち忍耐強く柔軟性のある“初期の参入者” 
⑨特許保護の強さ: プロセスよりプロダクト・イノベーションの保護に有効 ソフトウェア、ビジネスメソッド、生物特許、保護の範囲などで論争  

企業はイノベーティブなリードを守るために、これらの要因のうちのいくつかを利用することができる。 これらのことを市場と国家のポジション、競争環境を鑑み実行しなければならない。 (第四章総括) 

(参考)
イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マネジメントpp122-134, 4.3 イノベーションから得られる利益を専有する より。

 photo (c) Maco

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エンジニアの視点から、品質技法、解析技術、生成AIについて発信しています。 (シックスシグマ・ブラックベルト、MBA)

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