この性質は企業にとっては避けがたいことである。なぜなら:
①技術的な知識そのものの制約
②技術的知識を利用する企業のコンピタンスの制約
を受けるからである。
②では、大幅な変化に伴うリスクの管理、学習能力の限界、組織的暗黙知などが挙げられる。たとえ、企業買収によって外部から知識がもたらされたとしても、実践の方法や認識の構造が異なるため、同化させるためには長い時間と多大なコストがかかってしまう。
過去150年間の主要新技術の分析から見た制約では:
①イノベーティブな企業の規模
大企業:化学、自動車、素材加工、航空、エレクトロニクス
小企業:機械、計測器、ソフトウェア
②製品のタイプ
価格志向:材料、大衆消費財
性能志向:医薬品、機械
③イノベーションのタイプ
プロダクト志向:医薬品、機械
プロセス志向:鉄鋼、自動車
④イノベーションの源泉
サプライヤー:農産品、伝統工業品(繊維など)
顧客:計測器、機械、ソフトウェア
組織内:化学、電子機器、運輸、機械、計測器、ソフトウェア
基礎研究:医薬品
⑤自社内でのイノベーションの発生場所
研究開発部門:化学、電子機器
生産管理部門:自動車、バルク素材
設計部門:機械
情報システム部門:金融、流通などのサービス産業
のように要約される。
・・・技術的変化の源とその変化の方向は各産業セクターにより恒常的にことなるものである。
(参考)
『 イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マネジメント』pp135-138, 5.1 主要な技術軌道 より。
photo (c) Mori
0 件のコメント:
コメントを投稿