それは次の2つの区分される。
①競合企業がどのような技術開発を行っているか
②どのようにすれば競合企業のイノベーションを吸収できるか
であり、①の知識は情報収集活動、②はベンチマークや学習などの活動が必要とされる。公開される情報源はアニュアルレポート、特許、論文および報道機関の分析である。
日本で有名なのは、MITが行なった「世界の製造業の製造方式に関する客観的な比較研究」であろう。しかし、典型的な経営陣は懐疑的であり、「結局公の情報からはわからないだろう?」と正しくない質問を挙げる。
または経営陣は肯定的で「それを、うちでもやってみよう」と正しくない答えを選択する。
企業は変化し続けることでしか生き残ることができない、とは、参考図書のひとつの論理である。と同時に「銀の弾丸」も存在しないことも含まれる。
日本が比較的優位にある技術的なことでさえ、その企業の研究・開発部門がほとんど解明するであろうが、ノウハウまではわからない。
逆に、競合他社が自社のことすべてを解明しているわけではない。
わかってしまえば、他社が考える自社の「ブラックボックス」も自社にとっては何もしていないことがよくある。
技術的に優れているからといって、その企業の利益が高いとは限らない。優れたinventionが優れたinnovationであるとは限らない。
「模倣には、オリジナルのイノベーションのコストの60-70%のコストがかかり、完成するまで3年程度の時間がかかる」を肯定的に受け止めるのか、否定的に受け止めるかはその企業の戦略による。
・・・<技術的に劣っているので販売が伸びないんだ>は、販売員の敗北宣言であり、<技術的に優れているのにどうして売れないんだ>は技術者の傲慢である。
(参考)
『イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マネジメント』pp117-122, 4.2 競争相手にどのように対抗するか を参照
photo(c) Mori
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